2017年6月22日木曜日

冬場の止まらない鼻水は絶対に「脳が溶けてる」と頑なに信じていた幼少期



 人間てどのくらいヨダレが出るか知ってますか?

 「作文の書き出しには気をつけろ」という死んだジーチャンの遺言は何だったんだ? というくらい、書いてる自分もどうよ? と思うくらいの書き出しですが、結構な量出るんですよ、奥さん。ほんの10分くらいの間に、そうですね、200mlは余裕で出るんじゃないでしょうか? レモンや梅干し口に含んだって、そんな量は出ません。それが、

「このままヨダレを垂れ流し続けて、脱水症状で死ぬんじゃね?」

 って思うくらいの勢いで、それはそれはダラダラと。それはそれは流れゆくのです。そう。注射が子供のリーサルウエポンなら、さしずめそれは「大人のリーサルウエポン」、「胃カメラ」です。久々に飲むと、効きますね。五臓六腑に染み渡りました(別の意味で)。

 胃カメラを飲む度思うのですが、あの時ほど医者の事を「頭おかしいだろコイツ」と思う瞬間はありません。人体の構造上、大丈夫。当然私も何度か飲んでいる。だけど、仕事とは言え、あんなものを体内にグイグイ入れていこうって普通思いますか? で、息も絶え絶えになり、口から滝のごとくヨダレを流し続ける人に向かって、

「あー、ここね、胃の入り口。んー、ちょっと荒れてるかなあ」

 とか、淡々と抜かしやがるんですよ。もうね、アレは人じゃない。人の皮を被った何かだと。通算何回目かの胃カメラで私は気がつきまして、抵抗することを諦めて、

「ああ、そうか……ヨダレを出さないようにするからえずくんだな……」

 と、人体の赴くがままに、なるべく弛緩をして、ヨダレを解放したのです。そうしたらまあ、出るわ出るわ。えずきは納まったのだけど、なんかもう、人としての尊厳とか、そういうのを全く無視して、出続ける。なんかあの液体というか、あの水分は口の中でどうやって形成されているのか不思議でなりません。

 良く、マンガで「空気中のなんちゃらを」だの、「原子を入れ替えて」だの系(もちろん「等価交換」は基本です)のがありますが、そんな感じで口の中の空気から水分を生成してるんじゃないか? って思うくらいの勢いで出ます。終わった後の心境は「お嫁に行けない……」な感じ。

 ヨダレ話はココまでとして。人体って不思議だなと思います。

 解明されていないことだらけのようで、胃カメラとか「繋がってるんだから口から入れれば中見られるだろ」な、物凄く単純な考えで大丈夫だったり。そうですよね。口と肛門の道中を考えれば、そこはある意味体内ならぬ「体外」ですし。骨だって、折れたら固定しときゃくっつく。ってのも、かなり不思議。

 脳も、筋肉も基本電気信号で動いていますが、人間の反射神経の上を行く筋肉の動きだったり、記憶だったり。そういうのも動きは電気信号なんだけど、電気信号から出てくる「意思」とか「意識」って何よ? とか。意識を意識出来る動物がどれだけいるか分かりませんが、犬だって猫だって少なくとも意思はありますし。

 ヨダレ話から上手くまとめたつもりですが、人間「分からないから楽しい」と思います。人体だったり、宇宙だったり。解明されてしまえば、「なんだそんなことのか」となってしまうと思うと同時に、全人類は「生きる意味」を失うのではないかと思ってしまいます。